ここ半年の私のテーマはオフグリッド。オフグリッドとは、電力網に接続されていない状態をいいます。手っ取り早く言えば電力の自給自足。最近はそこから派生して、ガスや水道といった他のライフラインも含めて使われることもあるとか。
オフグリッドが拓くIoT
もちろん、家全体をオフグリッドなんてできません。私がオフグリッドの対象とするのはセンサやマイコンなどです。ちっぽけなものですが、家庭用のコンセントからではなく太陽光パネルと充電電池だけでセンサとマイコンを長時間運用できれば、例えば田んぼのど真ん中や山の奥地なんかでも設置できるようになるわけです。運動場なんかにおいて、気温や日照量をモニタしておけば、熱中症や大気汚染アラートにも使えそうです。
必要な電圧を作る(三端子レギュレーター)
このオフグリッドで必要になったのが電気の知識でした。でもこれが苦手なんだわ私。オーム法則?もっとまじめに勉強しとけばよかった。まずはネットで先輩方を調査。すると皆さん結構チャレンジされているんですね。こちらのサイト(Arduino MKR WiFi 1010 ベランダ太陽光発電 気象観測システム 1周年)を参考に、理屈抜きでまずは環境モニタ用の機器を組み立てることとしました。もちろん自分流にアレンジを加えながら。
Arduino MKR WiFi 1010については別稿でまとめるとして、ここで記録として残しておきたいのは、電圧の変換のための仕組みです。個人のレベルではオフグリッドで電気を作り出す方法は、太陽光発電となってしまいます。もちろん、自然エネルギーですから不安定で、例えば太陽が陰っただけで電圧が変わります。ここから、安定した5Vを取り出し、マイコンと蓄電池に供給させるかが課題になりました。
Arduino MKR WiFi 1010は、外部電源で動作しながらリチュウムバッテリを充電することができます。つまり、Arduinoへの電源供給だけを考えれば、あとの制御はマイコン側に任せればいいわけです。なるほど、これなら素人の私にも挑戦できそう。
太陽光パネルの電気を制御するソーラーチャージャーコントローラなども販売されていましたが、電気について経験値を積みたいし、何より安く済ませたい。色々調べると、どうやら三端子レギュレータという電子部品が役立つらしいことが分かり、さっそく秋月電子に注文、回路を組んで実際に動かしてみました。ところが今度はこの三端子レギュレータがとんでもない高温になり、ヒートシンク(放熱器)を追加注文。ヒョロっとしたレギュレータの上に、鎧のようなヒートシンクをつけて、不格好にはなりましたが、今のところ安定的な運転ができ、無事現在運用中です。
レギュレータの仕組みと使い方については、下記のURLを参考にしました。3.3vへの変換ですが、5vも同じです。
太陽電池モジュール 12W SY-M12W-12 (秋月電子) 三端子レギュレーター 5V1.5A NJM7805FA (秋月電子) 電解コンデンサー47μF35V85℃ ルビコンPK (秋月電子) 積層セラミックコンデンサー 1μF50V X7R 5mm (秋月電子) ブレッドボード EIC-801 (秋月電子) ブレッドボード・ジャンパーワイヤ(オス-オス)セット (秋月電子) 放熱器(ヒートシンク)25×24×17mm (秋月電子)
運用中のオフグリッド環境モニタ
とりあえず、10分おきに気温・湿度・気圧・紫外線、そして発電電圧とバッテリの電圧をサーバに送る仕組みを作り、2022~2023年の冬を越すべく元気に動いてます。
マイコンと回路を風雨から守るため、プラスチック製の箱をひっくり返し重石を置きました。日中の気温と湿度は、直接太陽光の影響を受けるため、正確ではありません。時間に余裕ができる3・4月ごろには、ちゃんとした場所に設置し、越冬が成功すれば、次は梅雨を乗り越えたいと考えています。さてどうなるか?またレポートします。